銀行や信用金庫で、1年目にやる仕事を具体的に、ありのままに話そう。

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こんにちは。


私は某金融機関に2017年4月に入社し、早いもので1年が経とうとしている。

1年を振り返ってみて、融資や相続など、今まで関わらなかったようなことに関わることができたり、大金を目の前にして自分の金銭感覚が狂いそうになることもあった。

これから銀行や信用金庫で働く方は、果たしてどんな仕事をするのか、期待と不安が混ざっているのではないだろうか。


今回は1年間金融機関に勤めた私が、銀行や信用金庫に就職して1年目はどんな仕事をするのかをできる限りありのままに伝えたい。


・これから銀行、信用金庫に就職する方
・就活で銀行、信用金庫に興味のある方

に是非読んでいただきたいと思う。

就職してからのギャップに悩まないためにも、参考になれば幸いである。

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新人研修

入社してから約1ヶ月ほど、人事部のもとで研修を受ける。


私の会社で最初にあったのは宿泊研修。

入社式の翌日から、周りに何もない僻地に送り込まれ、1週間ほどの研修が行われた。

宿泊研修では、主に座学。

金融機関で働く上での心構えから、銀行の3大業務である『預金』『融資』『為替』とはどんなものかを教えられる。

座学に加えて、私の会社では朝に朝礼、ラジオ体操があった。

朝礼では人事の監視のもと、社訓を大声で言わされ、声が小さければ何度もやり直し。


金融業界は基本的に、体育会の組織である。

声が大きい方が有利なのは間違いない。

そしてラジオ体操。

これも全力で取り組まなければならない。



人事がOKを出さなければエンドレスでやり直しであった。

「お前らやらされてる感があるんだよ」という罵声を浴びながらのラジオ体操。


一気に義務教育に戻ったような、あるいは軍隊に入ってしまったような感覚を味わうこととなる。

そして多くの銀行で行われるであろう、札勘の練習。

宿泊研修最終日には、札勘大会という、模擬紙幣100枚をいかに早く、正確に数えられるかを競うものがあった。

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宿泊研修を終えた後は、毎日本部で研修があった。

ここではビジネスマナー、電話対応といった社会人としての基礎や、預金、融資で扱う伝票の起票の練習、支店で行われるオペレーションのような実務などを広く浅く学ぶ。

支店配属

約1ヶ月の新人研修を終えると、いよいよ支店配属となる。


1年目の社員は多くの場合、ジョブローテーションが取り入れられており、一定のスパンで預金、為替、融資と移っていくこととなる。

預金

私の場合、支店に入って最初の半年は預金を担当した。

私の会社では預金として出納、為替、後方のオペレーション、そして窓口と担当が分けられていた。

出納

『出納機』とは簡単に言うと、銀行にある現金が保管してある機械のこと。

各支店、この出納と金庫室に現金は保管してある。

窓口に来たお客様の入出金は、出納で行う。


やることは入出金を中心に、出納にある現金の管理、業後の勘定を合わせることである。

仮に出納での勘定が合わなかった場合、その原因を解決し、合わせなければならない。

もし一円玉をどこかに落としていて合わないということがあれば、探し出さなければならない。

「銀行は一円でも合わなければ帰れない」というのが昔から言い伝えられているはこのことであり、それは今でもありうることである。

為替

『為替』とは、金融機関を通じて他方へ資金を移動させること。

身近な例で言えば、振込や口座振替による引き落としなどが為替にあたる。

このような資金の移動を伴う取引をオペレーションによって処理するのが主な業務である。

例えば会社の経営者や経理の方が、従業員へ給与を振り込む際や、ローン関係の融資したお金を振込先に振り込む際に為替担当が処理をしている。

オペレーションにおいて、振込先を間違えてしまったり、金額を間違えてしまったりすると大きな問題になるため、責任は大きいといえよう。

後方事務

預金関係の、主に窓口で受けた依頼をオペレーションするのが主な仕事。


入出金から口座開設、定期預金の新規申し込み、解約、税金関係、さらには住所の変更や死亡の設定など、様々なオペレーションがある。

預金業務の中で、窓口と同じくらい主要な仕事だ。

業後の勘定が合わない時、後方でのオペレーションに間違いや、そもそもオペレーションを1件やり忘れていたということが多い。

窓口

多くの人がよく見るのはこの窓口だろう。


入出金や振込、口座開設など、預金関係の受付はこの窓口から始まる。


少額の入出金のような、すぐに処理できるものは窓口でオペレーションをしてしまうこともあるが、基本的には窓口で受け付けて後方担当に処理を取り次ぐ形である。

もし大口の金額を下ろしたり、振り込むと言った依頼があれば、役席者が対応することもあり、時間がかかることが多い。


今は振り込め詐欺などの対策として、本人確認や、大金を振り込む目的などにおいて非常に厳しく対応している。

手続きが年々面倒になってきており、時間もかかることからクレームを受けることもままある。

預金窓口の多くはパートの方か、若手の女性が担当していることが多い。

私はほとんど経験することはなかった。

融資

ジョブローテーションの流れで、私は預金を半年経験したのち、融資を担当することとなった。

1年目で担当した融資業務についてお話ししたい。

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後方事務

最初の1ヶ月ほどは融資の後方事務を担当した。

具体的に何をするのかというと、それぞれの案件の最終段階である、融資の実行だ。

私の会社では基本的にパートの方がやっているのだけれども、「もしそのパートの方が不在の時にできた方が良い」ということがあったり、「融資実行までの流れを掴むために」ということもあり、短期間であるが担当した。

融資の社員はほとんどオペレーションができないため、受け付けた案件や、営業が取ってきた案件の実行までのオペレーションと、それに伴う雑務を行った。

抵当権の抹消


昔に住宅ローンを組んだお客様が住宅ローンを完済すると、契約時に設定していた抵当権を抹消する手続きを始める。

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お客様に委任状を書いてもらい、司法書士に抵当権の抹消を依頼し、登記が完了したら最後にお客様から登記費用を請求する流れだ。

司法書士に抵当権の抹消を依頼する上で必要な書類がいくつかある。

例えば『登記原因証明情報』

抵当権を抹消する土地や建物の地番を記入する作業だ。

さらには会社で厳重に保管している業務権限を司法書士に委託する書類、金融機関から司法書士に抵当権の抹消を依頼するための委任状。


もし紛失してしまうと、様々なことに悪用が可能であるため、これらの書類の取り扱いが厳しく、何の利益にもならない作業であるにもかかわらず、特に注意して取り組まなければならない。

加えて昔の契約書類を本部から取り寄せるための処理など、収益はほとんどないにもかかわらず、思いのほか手間がかかる作業である。

消費者ローン受付

2ヶ月ほど事務作業を学び、その後は自動車ローンや教育ローン、住宅ローンやカードローンなど、消費者(個人)ローンの受付を担当するようになった。

やることは、来店したお客様に仮申込書を書いてもらい、それをもとに保証会社に審査を依頼すること。


そして審査が可決になったら、お客様に本申込にきてもらい、申込書の記入、重要事項の説明などをして契約のための印鑑を押してもらうこと。



今ではわざわざ来店しなくとも出来ることなのであるが、それでも来店する客がそれなりにいるのが事実である。

高齢者のようなネットに対する理解が皆無の方や、頭が悪く、時代の変化が汲み取れていないような若者などが来店して紙による手続きをしたがる。

各種消費者ローンの受付をすることで、初めて本格的に接客というものをするようになった。

事業性融資

事業性融資と言っても、いきなり決算書を見てお客様と話し合ったり、上司や支店長と協議を進めていくことは難しい。

最初は長い付き合いの得意先のお客様が頻繁に持ってくる手形を受け付け、『手形割引』の融資に取り組むようになった。

手形を受け付けるためにはいくつかの要件がある。

要件をチェックして受付け、その後『稟議書(りんぎしょ)』というものを作成する。



稟議書というのは、簡単に言うと、『この会社の経営状況は〜、売上は○○千円で、返済見込があります。○○万円の融資に取り組んで良いと思います。』といった意見を書き、上司から支店長までの意見を求めていく書類だ。


支店において、決裁権限があるのは支店長である。


なので、支店長がOKを出さないと、基本的には融資の実行をすることはできない。

支店長にOKをもらうための意見を書くのが稟議書である。

この稟議というものがまた、書体が古臭くて呆れるものであった。


『手形銘柄○○は東証一部上場であり、落込は良好。店長決済極度内取組であり、これを応需致したく。』
みたいな感じ。

どうしてこんな堅苦しい言葉を使うのかよくわからない。

しかし稟議を書くようになり、自分が融資を担当している感覚を持つようになった。

銀行員1年目で最も多いのは雑務

確かにいくつかの業務を担当させてもらい、勉強になることもあるのだが、それ以上に無駄な作業が呆れるほど多いのが銀行の1年目である。

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何の利益にもならない、勉強にもならない雑用が次々と舞い込んできて、それらに忙殺される日々が続くだろう。

私が1年目で経験した雑務をこれから紹介したいと思う。

電話対応


銀行の主な連絡手段は電話である。

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法人、個人問わず電話をかけてくるため、1日に何度も電話がかかってくるのだ。


電話を真っ先に撮るのは新人の役目。

1年目とはいえ仕事を抱えているにもかかわらず、何度も電話を取ることによって、まともに仕事が進まない。


時には電話を取ったことでそれまで何の作業をしていたのかを忘れたり、重要な書類を見失ってしまったりすることもある。

法人から電話がかかってきて、担当の人に取り次ぐ作業を何度もやっているのも確かに無駄なのだが、それ以上に個人のお客様からの電話がとにかく面倒くさい。


個人のお客様は基本的に言うべきことを整理しておらず、話が長く、結局何が言いたいのかわからないのだ。

よくあるのが「キャッシュカード、通帳をなくした」というもの。

口座を止める手続きをするのに時間を奪われる。

他には「手数料はいくらか」「銀行は何時までやっているのか」「振込ができているのか確認してくれ」「残高はいくらか」など、少し自分で調べたり、確認すればわかるようなことばかり。

こんなことにこちらの時間を奪われる毎日を過ごしていると、ストレスがたまるのも無理はない。

なんとも無意味なこの仕事を経験してみて、昭和からこの辺りのシステムはほとんど変わっていないのだろうとつくづく感じる。

コピー、紙の補充


多くの銀行は今もなお、紙文化である。

そのため、1日で使う紙の消費量が半端でない。

ほとんどの作業で使うのが紙。

融資に関しては1つの案件で膨大な資料が必要になってくるため、大量の紙を使う。

そして控えとして、それらを全てコピーすることもしばしば。

会社から預かった紙ベースの決算書も全てコピーする。

だからすぐにコピー機の用紙はなくなる。

若手は用紙が少なくなったらいち早く気づき、補充しなくてはならない。

市役所や税務署、保証協会へのお出かけ

市役所に口座振替関係の書類を持って行ったり、何ヶ月も借りたお金を延滞し、どこかへ引っ越してしまったお客様を探すために、住民票を取りに行くことが頻繁にある。

(金融機関や司法書士などは、相応の理由があれば、他人の住民票を取得することができます。よって借り逃げは難しいです。)

お客様から委任状をもらい、納税証明書などの類をもらいに行くということも多い。

これらのお出かけが場合によっては遠方の地方の市役所、町役場まで行かなくてはならない。

特に忙しくなければドライブ感覚で行けるのだが、忙しい時期に頼まれると全く仕事が進まなくなる。

上司は忙しいため、暇だと思われている1年目の社員に頼むのだ。

収益よりも車のガソリン代を消費する雑用。

督促

先ほど述べた、市役所に住民票を取りに行くことでお客様の所在を把握し、電話や手紙などで応答がない場合、直接家を訪問し、督促をする。

場合によってはたった1件のために何時間もかかるような場所まで行かなくてはならない。

延滞するのはどちらかというと個人の方が多い。

約定返済額は大して大きくないが、その返済金額を振り込んでもらうために何時間もかけなければならない非常に非効率な手段である。

こちらも雑用として、若手が任されることが多い。

鍵当番


銀行の鍵は、多くの場合、当番制である。

1年目に限らず、鍵当番を毎日分担で担当しなければならない。


銀行は時間の管理に厳しいため、鍵の開閉時間もしっかりと管理しなくてはならない。

毎日決まった時間に鍵を開ける。


時間に遅れるというのはありえないのだ。

そのため、鍵当番は早い電車に乗り、鍵を開ける時間まで外で待機することになる。

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鍵も自分の判断で開閉することは許されない。役席者の指示でやらなければならないのだ。

そして開けた時間、閉めた時間を使用簿に記入したり、ただの鍵の開閉なのに、何かと面倒な作業が多い。

荷物運搬

都心の支店や本部であれば、エレベーターがあるかと思うが、地方の支店には階段しかない。

銀行で扱う書類は何年も保管しているのだが、古くなった書類をまとめて上の階の倉庫へと運ぶことがある。

大量の書類があり、とんでもない重さと量の書類を何往復も運搬するという重労働を強いられる。

無論、何の利益にもなりません。

掃除

1年目の社員は朝早くきて、支店周辺の掃除をすることが多いかと思う。

大してゴミがなくてもわざわざ早い電車に乗って、掃除をしているふりをしていなければならない。

これが1年間、毎日続く。

キャビネットの移動、鍵開閉


銀行は書類の保管に非常に厳しい。


退社する前には仕事を途中で切り上げて、机の上はきれいに片付け、キャビネットは全て金庫室にしまい、いくつもある鍵を全て閉めなければならない。

朝は同じく、しまったキャビネットを全て出し、大量にある鍵を全て開ける。

鍵の種類は非常に多く、どの鍵でどの扉が開くのかよく分からないものも多い。

中には役席者の許可をもらわないと取れない鍵もあり、それだけのためにコミュニケーションをとらなければならないのが非常に面倒。

あらかん登録

アラーム管理システムを略してあらかん』という。


銀行で用いるあらかんとは、財務分析システムのことであり、取引先の決算書のデータを登録し、取引先がどんな会社か、どんな財務状況かなどを把握して、融資審査に役立てようするシステムのことである。

取引先から決算書の原本を預かり、こちらで全てコピーをし、あらかんに業種や従業員数、貸借対照表や損益決算書などのデータを登録するのだ。

これもまた、何の収益も生まない仕事で、正直誰でもできる、単なる雑用である。

1年目の私は、営業が預かってきた決算書をコピーし、あらかん登録するという仕事をよくやっている。

物件調査


住宅ローンを組む際、新築の物件を立てた場合はその物件の調査を行う。

何をするのかというと、対象物件まで出向き、写真を撮ってくるというもの。

調査する基準としては、『勝手に増改築されていないか』『違法物件ではないか』『建築基準法に違反していないか』などである。

なので、それらの調査基準を満たしているかがわかるように写真を撮影する。

例えば、接道と建物が両方移った写真や、建物の全体が写った写真などである。

これも場合によっては遠方の地方まで行かなければならないことがあり、こちらも収益を生まないどころか、ガソリン代がかかる雑用である。

銀行で得られる知識はある。しかしそれ以上に無駄なことを覚えなくてはならない

いかがだろうか。


銀行で若いうちに得られる知識として、決算書を読む力、不動産、税金、相続、保険など、確かに学べることはある。



営業に出れば中小企業の経営者と密な話ができるのもいろいろ学ぶことができる。


しかし、それ以上にミスしてはならない細かすぎる事務処理を覚える時間、取り組む時間、そして雑務をやらされる時間が圧倒的に多い。

銀行は変化を嫌う体質から、今の時代の変化について行けておらず、完全に遅れをとっている。

古くから続く紙文化、印鑑を押す文化。

テクノロジー的には自動化やペーパーレス化が可能なことも、いつまでも人の手や紙ベースで行われているため、時にはミスや不備も起こる。

印鑑の押し忘れで何度もお客様に来てもらったり、それだけのためにこちらからお客様の元へ向かったりする。

ビジネスとしてはとても非効率だと思う。

そして、学べると思っていた金融知識よりも、驚くほど細かい事務処理を先に学ばなければならず、しばらくは一生懸命働いたところで、会社から一歩出ると、何も役に立たない知識しか覚えていないのだ。

銀行に入る方はこれから1年、だいたい今回の記事であげたようなことをやらされる羽目になることを知っていた方が良い。

いかに銀行が時代に遅れているかや、細かすぎる処理、雑用の多さにイライラする時は必ず来るかと思う。

最後に


低金利によって収益は悪化し、高級取りとさえ言われていた銀行も、苦しい時代。

最近ではメガバンクが大量リストラ策を打ち出しているが、根本的には変わろうとしないのが銀行。

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個人的な予想ですが、ほとんどの銀行、信用金庫は、この先5年でかなり状況が変わってくるのではないかと思っております。



これから金融機関で働く方は入社してからギャップに悩まないためにも、銀行は根本的にビジネスモデルや社風が、時代に合っていないということを認識しておこう。

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