信用金庫の『ブラック企業偏差値』急上昇!金融マンが理由を教えよう。
- 2018.04.24
- 金融業界の実態
こんにちは。
最近、転職活動をしていて、就活関係のサイトをあちこち見ていたのです。
新卒で就活をしていた頃、時々見ていた2chの、『ブラック企業偏差値』。
転職活動する上でも、自分がこれから受ける会社が含まれているかどうか、見てみたんですね。
すると、ある変化に気が付きました。
それは、信用金庫が上位にランクインしていたことです。
確か私が就活していた頃はブラック偏差値に信用金庫の名前は含まれていなかったはず。。
それが、いくつかのサイトを久しぶりに見たら、どれを見ても偏差値70超。
直近の2019年卒向けの偏差値は70でした。
一体何があったのでしょう。
今回は『金融業界で働く私から見た信用金庫の現状、そしてブラック偏差値が急上昇した理由』について書いていきたいと思います。
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私が考える、信用金庫のブラック偏差値が急上昇した理由
①ビジネスの非効率さ
信用金庫のビジネスモデルは基本的には銀行と同じで、顧客からお金を預かり、そのお金を必要としている顧客に融資して、貸出金利として利益を得るのが基本です。
違いとしては、信用金庫は融資対象となる顧客を限定していることにあります。
銀行と信用金庫はそもそも存在意義が異なっており、銀行は『株式会社』として、あくまで利益を株主に還元しますというスタンスで営業しています。
対して信用金庫は『協同組織金融機関』として、地域の発展や地元中小企業の成長を支援しますというスタンスで営業しており、一般的な株式会社とは存在意義が全く異なるのです。
なので、銀行は貸出金利息が多く取れる多くちの融資に力を入れ、小口の融資にはあまり積極的ではありません。
逆に信用金庫は、大企業とは取引をせず、中小企業や個人事業主の方などが、たとえ100万円ほどの小口融資を希望しても、じっくり向き合っていきます。
すると、案件1つあたりの収益が少なくなるため、とにかく案件の量を増やしていかなければなりません。
わかりやすく言うと信用金庫は、飲食店のような『薄利多売』のビジネスモデルなのです。
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②給与の低さ
上記に加えて、今は超低金利時代にあります。
あっちこっち動き回って案件をたくさん取ってきても、肝心の金利が低く、かつ融資金額も小さいため、ほとんど儲けを得ることができないのが信用金庫の現状です。
そうなると、銀行以上にあくせく働いても、従業員の給与は、銀行員と比べて低くなります。
決して生活に困るような低賃金ではありませんが、金融業界の水準で考えると、かなりの低賃金だと思います。
労働のコスパとして良いとは言えないのが信用金庫のブラック要素の一つなのではないかと私は考えます。
③資金力に乏しく、いつまでも業務効率化ができていない
信用金庫も上位の信金であれば、世間一般から見る規模的には大企業の部類に入るかもしれません。
しかしそんな上位信金も、金融業界の中ではほとんどが中小の部類に入ります。
世間一般で見る、中小企業のイメージって、どんなものでしょうか?
資金力に乏しく、なかなかデジタル化やIT化を進めらていないようなイメージがありませんか?
信用金庫は世間の中小企業と同じようなものです。
メガバンクや地銀が少しずつデジタル化を進めているのに対し、信用金庫はデジタル化に取り組む気配もありません。
「これ何十年前から同じことをやっているのだろう…」と感じるような超アナログ作業がたくさんあります。
時代の流れもあり、少しずつ従業員数は減らしてきている中で、業務内容は昔から変わっていないであろう、非効率なアナログ作業ばかりなので、無意味な仕事に時間を奪われ、激務かつストレスフルな職場であるということもブラックと言われ始めている一因だと思います。
④営業スタイルがひたすら根性論、精神論
これは信用金庫に限らず、銀行や証券、保険業界など、金融業界全般に言えることかもしれません。
営業として数字を取るために金融業界では、とにかく根性論や精神論を強要してきます。
営業スタイルは昔ながらの『お願い営業』のまま。
ほとんど金融商品に対して興味のない顧客にメリットの少ない保険商品を進めたり、担当地区の家を片っ端からインターホン鳴らして、住宅ローンの借換の案内をしたり。
それらのノルマも厳しく設定されています。
数字が取れなければ上位から罵倒され、しまいには「取れるまで帰ってくるな」と。
見込み先がなければリストを出して片っ端から電話セールスをするという超アナログなこともやらされることに。
銀行が比較的変化に乏しい業界ではありますが、信用金庫はそれをはるかに上回る時代遅れが起きています。
販売商品も、15年間働く上司が新人の頃と何も変わっていません。
「俺は昔もっとできたんだからやれ」と言われ、昔から何も変わらないスタイルで、昔と同じような商品の営業をやり続けることになるのです。
若手にとっては時代にそぐわない仕事をやらされ、嫌気がさす方も増えてきているのではないかと私は考えています。
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⑤休憩が取れない、有給が取れない
信用金庫は銀行に比べ、少ない人数で営業しています。
デジタル化が進んでいるのであれば無理はないのですが、むしろ信用金庫はかなりデジタル化が遅れているにもかかわらず、人員を削減して営業しています。
だから人数としては常にカツカツの状態で、一人あたりの業務量からも、まともに休憩が取れなかったり、有給なんて言葉は聞いたことがないくらいに取ることが困難です。
以前に銀行、信用金庫、農協などで働いた経験のある、私の会社のパートさんが、
「銀行の方が休憩、有給が取りやすい」と言っていました。
ある程度大きな金融機関となれば、それなりの人員で業務は分担されており、多少は業務効率化が図れているかと思いますが、信用金庫や農協では、業務分担がほとんどされていません。
基本的にいくつもある業務全てを担当することになります。
雑務も含めて対応することとなるので、業務を抱えているのもかかわらず、まともな仕事はなかなか進めることができません。
この辺りも激務になる原因の一つであり、一人でもいないと周囲への影響が大きいのです。
中には「飯食ってる時間あったら他の仕事進められるだろ」と言い、休憩や有給を取りにくい雰囲気を出す上司もいます。
信用金庫のような体質の古い会社では『休むことは悪』だと考えられていることも多いです。
ちなみに私も現在の仕事の中で、ほとんど休憩をしていませんし、昼食はしばらく食べていません。
有給は昨年1年間で一度も取ることができませんでした。
風邪をひいたり、熱を出しても休むことは困難です。
むしろ体調を崩したことに対して怒られます。
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まとめ:信用金庫は昭和から時が止まったような会社である。
いかがでしょうか。
実際に金融業界で働く私の視点で、なぜ最近、信用金庫のブラック企業偏差値が上位になったのかを考えてみました。
信用金庫も銀行も、世間からのイメージは比較的よく、表面上の待遇なんかを見ると「ホワイトなんじゃないか」と見えるかもしれません。
実際、私も転職活動をする中で、金融業界に勤めていたということで悪いイメージは持たれなかったように思います。
私が信用金庫がブラックだと考えるもっとも大きな原因として、『風通しの悪さ』なのではないかと思います。
信用金庫に限らず、金融業界の特徴として、古くから続く『上下関係の厳しさ』があります。
・支店長の言うことは絶対・休日の接待ゴルフ、社員旅行での宴会芸
・飲み会や職場での上司に対する過度なまでの気遣い
・金庫室には一人で入れない、引き出しを開けるのにも上司の許可が必要
・『休まず働く事こそが正義』という価値観
などなど、仕事以外の場面でも様々なストレス要因があります。
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体質が完全に昭和のまま止まってしまっているんですね。
「俺も若い頃はやっていたんだからやれ」みたいな上司の昔話を聞かされながら、若手はとにかく雑な扱いをされ、人権はほとんどないと考えても良いくらい、不自由な生活を強いられます。
信用金庫内部のブラック事情が少しずつ表面化してきているのかもしれません。
このままだと古い組織に埋もれたくない若手人材はどんどん逃げて行ってしまうのではないでしょうか。
と感じる次第でございます。
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