銀行へ就職する人、したい人はこれを知らないと後悔する。
- 2017.10.28
- 金融業界の実態
こんにちは。
いねだ(@antisalary)です。
就職を考える上で、金融業界に憧れる就活生は多いのではないだろうか。
私は銀行に入る前、「経済やお金、不動産など幅広い知識をつけて賢く生きていけるかも」と考え、金融業界を志望していた。
目標こそ叶ったものの、いざ入ってみると、その体質の古さに早くも嫌気がさしてしまい、すっかり労働意欲が失せてしまった。
銀行は様々な事情から、内部のことがあまり知られていない。
良いイメージが持たれているのか、今もなお、銀行は就活生にとって人気の業界である。
しかし銀行の現状は泥沼である。
今回は、
- 銀行に就職したい人
- 来年から銀行に就職する人
に向けて、入る前に知っておいてほしいことを伝えたい。
上の言うことは絶対
銀行は強烈な縦社会である。
基本、上司の言うことには絶対服従しなければならない。
どんなに嫌なことでも、上の言うことに逆らってしまえば、自分の居場所がなくなることも十分にあり得る業界である。
よって、自分の意見を主張できない環境が銀行だ。
例えば、朝、支店では1つの通用口から入る。ドアを開けると支店長から上席者順で綺麗に並んで入らなければならない。
ドアを支えるのは新人の役目らしく、新人がどんなにドアから離れたところにいようと、走ってドアノブを抑えに行かなければならない。
「ドアに近い人から入ればスムーズなのに」と思っても、そんな簡単なことさえ言うことができない。
どんな理由であれ、遅刻は許されない
電車が遅延しようが、台風が来ようが、銀行員は遅刻が許されない。
這ってでも行くことが求められる。
以前、私の上司の一人が鍵の当番の日の朝、電車が大幅に遅延していた。
すると支店長から電話が入り、「タクシーに乗ってでも来い」と、言われて止むを得ずタクシーに乗って無理やり間に合わせるということがあった。
銀行は電車の遅延など遅刻の理由として許されない。
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昼飯はまともに食べられない
銀行には一斉に取る昼休憩がない。
最近は少しずつ変えようとしているようだが、ほとんどの場合、誰かしらが急に来たお客さんの対応ができる状態にしておく必要がある。
そして、銀行の膨大な仕事量と相まって、昼食を10分で済ませたり、昼食をとらない人がたくさんいる。
昼食がとれたとしても、コンビニのおにぎりだけとか、これから就職する方がイメージするであろうランチとはかけ離れたものである。
どうやら銀行員は外でウロウロすることがあまり良く思われないらしい。
だから外食することはないと考えた方が良い。
勉強地獄
銀行に入ってまともにやっていくためには勉強の日々を過ごさなくてはならない。
証券外務員、簿記、FP、宅建、保険などなど、取らなくてはならない資格も沢山ある。
基本的に銀行は土日は休みだ。
しかし、沢山の資格試験の勉強に追われ、休日もまともに休むことができない。
試験が近くなれば、平日の疲れきった中でも帰ってから勉強しなければならない。
自由な時間なんてほとんど確保できない。
典型的な昭和体質
銀行では、休むことが『悪』とされている風土がある。
表面上の待遇こそ整ってはいるものの、休憩や有給に関してはほとんど取ることができない。
仮に休憩や有給を取ったならば、後で上席者から順番に「休憩いただきすみませんでした」「お休みいただきすみませんでした」と1人1人に謝らなければならない非常に面倒な作業が待っている。
「許可もなく飯を食うな」
「上司が働いているのに休むとは何事だ」
「上司が残っているのに帰るな」
「上司より早く出社して待機してろ」
こんなことが未だにまかり通っているのである。
銀行には機械のような人間が求められている
銀行の仕事は、1つ間違えれば大問題になる。
だから1つ1つの業務でいちいち役席に回し、戻ってきたら次のことをしてまた役席に回すサイクル。
非常に業務効率が悪いのである。
そして、作業には機械的正確さが求められる。
社員は皆、時間に追われる中、どんなに細かい数字も、膨大な量の書類ももれなくチェックしているため、常にストレスのたまる環境だ。
人間誰しもミスは犯すもの。
しかし銀行員にミスは許されないのだ。
銀行に入ると義務教育レベルの不自由さを強いられる
小学校で『先生の言うことは絶対だ』という
暗黙の了解があったように、
銀行では上の言うことは絶対である。
どんなに納得がいかないことがあったとしても上に主張することができず、どんどん組織に埋もれていく。
学校と同様、『個性をつぶす環境』が整っている。
そしてすべての銀行に当てはまるかわからないが、銀行では鍵が当番制だ。
つまり、
当番の日はどんなに早く仕事が終わろうが、最後まで残っていなければならないのである。
朝もわざわざ早い電車に乗り、用もないのに待機していなければならない。
そして役席が「開けろ」というまで鍵を開けることができない。
それくらい、時間の管理には厳しいし、常に上からの支配のもとで生きていかなければならない。
学校では、「授業中に飲み物を飲むな」とか、「携帯は弄るな」なんて言われてきただろう。
銀行も全く同じである。
お客さんがいるというのもあるが、仕事場で飲食することはできないし、スマホを持っていくことは禁止されている。
自由とは一切無縁なのである。
私が思う、銀行に向いている人
①人と話すことが好き
金融系の仕事は、お客さんと話すことがメインになる。
いろんなことを聞き出して、話して、仲良くなり、信用されないとお金の話などまともにできない。
だから、誰とでも話せるような人が好きなタイプが向いているかと思う。
②体育会系
銀行は体育会系の風土がある。
- 厳しい上下関係
- 根性論でノルマを達成しようとする
- 休むことを悪だと考える
このような前時代的な考えが残り続けているし、変わる気配を見せない。
一般的な人からすれば意味不明な決まりがたくさん存在している。
体育会系の人間は厳しい上下関係に慣れていることや、与えられたどんなにおかしな業務にも疑問を持たない傾向がある。
どんな状況であれ、「大声を出せ」と言われれば、迷うことなく出すし、無意味な力仕事にも、体育会系の人は躊躇なく取り組むことができるだろう。
体育会系の人は比較的うまくやっていけると思うし、上からも気に入られやすいのではないだろうか。
【↓↓金融業界の営業やノルマについて知りたい方はこちらの記事へ↓↓】
あわせて読みたい」▷『【銀行、信用金庫の営業】金融業界で、ノルマ未達の末路。』
人間扱いされない銀行員
銀行は、人間的な生き方を否定するかのような風土がある。
- 這ってでも時間を守ること
- 『休むことを悪』と捉えていること
- 外食が自由にできないこと
- 仕事中にスマホを所持できないこと
- 細かすぎる事務作業を機械的正確さでこなすこと
などなど。
人間誰しも、事情があれば遅れることもある。
休憩は取りたいし、時には休みたい。
昼食くらい外で食べたい時もあるし、昼休憩くらい1時間とらせて欲しい。
スマホでニュースをチェックしたい時やLINEを返したい時だってある。
細かすぎる事務作業をろくに休みも取れずにミスなくこなすことは人間には限界がある。
銀行は、人間が持つ欲がすべて禁じられているような業界だ。
仕事内容以前に、自由が一切許されていない旧態依然とした風土にストレスがたまる。
↓↓私が銀行でストレスを抱え続けて生じた、心身の変化について興味を持った方、こちらの記事へ↓↓
最後に
いかがだろうか。
銀行は、資金繰りに困った企業や個人に、お金を貸し、経済を支えているというイメージで、良く思われがちであるが、内部はとんでもなく闇の深い業界である。
銀行への就職を考えている方、銀行から内定をもらい、来年から働く方は、このような銀行の現状を知っておくと良い。
古すぎる体質に、入社してからギャップを感じないことはないと思う。
銀行に就職するなら、人間としての心を失うことくらいは覚悟しておくと良い。
↓↓銀行の特徴の一つ、宴会芸について知りたい方はこちらの記事へ↓↓
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