(スマホ没収、全力ラジオ体操)〜会社の宿泊研修体験談〜

こんにちは。

 

いねだ(@antisalary)です。

 

これから新社会人として就職することに、
期待と不安を持っている人が多いかと思う。


入社すると、
ほとんどの会社で行われるであろう、
会社の新人研修。

 

社会人としてのいろはを学ばせられるわけだが、
私の感覚としては、義務教育そのものであった。

 

私の会社では、

「上から指示されたことに従え」


「服装は会社の決まりを厳守しろ」

「積極的に挙手しろ」

「座学中は寝るな」

と、そんなようなことを叩き込まれつつ、
少しの業務知識を学んだ研修。

 

ここまでは他の会社でもよくある内容かもしれない。


しかし、研修の中でいくつか
腑に落ちないことがあった。

 

今回は私が経験した、
新人研修での体験談を書きたい。

 

  • 内定先が体育会系の学生
  • 歴史の古い会社へ就職する学生
  • 歴史の古い会社への就職を目指す学生

に是非読んでいただきたい。

 

そうでない方も、
こんな会社があるということを
知っていただければと思う。

 

軍隊じみた宿泊研修

私の会社の研修で最も腑に落ちなかったこと、
それは『宿泊研修』である。

 

私の会社では入社してすぐ、
1週間に渡る宿泊研修が行われた。

 

宿泊研修を行う目的は
いまだによくわからない。

 


同期との交流を深めるためなのか、
会社への忠誠心を叩き込むためなのか。

 

実際に経験してみて、
後者なのではないかと思う。

 

というのは、
時間的、精神的拘束が
かなり厳しかったからだ。

 

↓↓宿泊研修以外の研修についてはこちら。↓↓

あわせて読みたい▷楽な会社の研修も、『命を削られている』ことを忘れてはならない。

 

宿泊地は周りに何もない僻地

宿泊研修が行われた宿泊所は
僻地にある県営の施設。

 


1週間施設に閉じ込められ、
私用での外出は一切許可されなかった。

 

常に人事の監視のもと、
自由な行動などできなかった。

 

スマホを強制的に取り上げ


私の会社では、
宿泊研修の初日に全員、
スマホを強制没収された。


1週間、スマホの使用が禁じられ、
すべての人との連絡を断たれたのである。

私たちの主な連絡手段はLINEのような、
スマホがなければ成り立たないものがほとんどだ。

 

緊急の連絡があったとしても、
もちろんそれに気づくことはできない状況であった。

 

だから、宿泊研修の前に、
連絡を取る可能性のある人に対して、
まるで遺書を書くかのように
1週間、連絡ができなくなる旨を伝えていた。

 


そしてスマホが取り上げられたことによって、
情報を得る手段を失った。

 

その間、北朝鮮でミサイルが
発射されていたようだが、
それを知ることもできなかった。

全力でラジオ体操

毎朝、6時半に外に集合し、
朝礼、ラジオ体操が行われた。

 


朝礼では会社の理念を大声で言わされる。

 

小さければもちろんやり直し。


結局何十回もやらされるのである。

 

続いてラジオ体操。

 

ラジオ体操をやる分には
健康的で良いかと思う。

 

しかし、
人生で初めてかもしれない、
全力でラジオ体操をやることを求められた。

 

毎日朝礼当番がいて、
「◯◯基準、体操体形に開け!」という
どこかで聞き飽きた言葉。

 

この号令に従い、
走って広がったり、
元に戻ったりする。

 

ラジオ体操は
指先までピンと伸ばし、
全員の動きをそろえる。


この一連の流れが、人事が納得いくまで
エンドレスで繰り返された。

 

非常に軍隊じみており、
「俺何してるんだろう…」
という気持ちになった。

 

朝、着替えるための時間は5分

ラジオ体操後、午前中の研修が始まるわけだが、
着替える時間がとにかく短かった。

 

宿泊研修の服装は
特に理由もないのに、スーツ。


ラジオ体操が終わると走って部屋に戻り、
マッハで着替えなければ
研修に間に合うことができないくらいであった。

 

純粋に「ここは自衛隊か」と思った。

 

23時完全消灯という決まり

宿泊研修前にスケジュール表
(遠足のしおりのようなもの)を渡され、
それに沿って宿泊研修は進行した。

 

スケジュール表によると、
どうやら23時完全消灯であり、
それ以降、部屋の外に出ることは禁止されていた。

 

私は、寝る前に鍵が閉まっているかを
家でも確認する癖がある。

 

研修中も鍵が閉まっているか気になり、
寝る前に試しにドアを開けてみると、
鍵が閉まっておらず、ドアが開いた。

 

そしてそこには偶然、人事がいた。

「何時だと思ってるんだ!!」

と大声で怒鳴られた。

 

まるで、中学校の修学旅行。

 

最終日に試験をやるから夜は勉強

テキストを4冊ほど渡され、
最終日に試験をやることになっていた。

 

7割を超えないと
何が待っているかわからないため、
みんな揃って夜は部屋で勉強していた。

 

23時には完全消灯で、
人事に見つかると怒られるため、
もちろん電気を消して
カリカリと勉強していたのである。

 

自由な時間は皆無であった

人事側の目的としては、
『同期とのコミュニケーションをとってもらいたい』とのことであったが、
正直、まともに同期同士で話す時間など
与えられていなかった。

 

限られた時間で話す内容も、
宿泊研修のシステムに対する愚痴になっていた。

 

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会社に属すことが良いことだとは思えなかった。


『社会人とはこういうものだ』と言わんばかりに
理解しがたい決まりを押し付けられ、強引に従わせられる。

 

さらに
時間を徹底的に奪うことで
私たちに考える余地を無くさせることが
宿泊研修の目的としてあると思う。

 

様々な個性を持った人間が、
このような研修によって
ロボットのように動かされ、個性を潰され、
全員が同じような人間として形成されていく。

 


真面目に取り組むほど
「洗脳されるのでは」
と、恐怖を抱く研修であったし、
このまま会社で頑張ったら、
『自分』という人間が
殺されていくのではないかという
不安さえ覚えるようになった。


徴兵制でもあるまいし、
なぜ今の時代もなお、
このような研修がまかり通っているのか、
甚だ疑問である。

 

私が思う、組織のあり方

特に歴史の古い会社に入社した場合、
私と似たような研修を受けることになる人が多いかと思う。

 

昔からの考えを引きずっているのか、
『強制しなければ組織は機能しない』
と考えているのだろう。


『出る杭は打たれる』のだ。

 


私はこれを明確に否定したい。

 

強制することは、人の士気を下げる

確かに戦争をやっていた頃、
戦いに行って、命を落とすことは
誰しも心のどこかで嫌がっていたと思う。

 

だから、ある程度強制しないと
誰も国のために戦ってくれなかったのかもしれない。


『強制的に人を動かして
組織として機能させる』という、
古い会社はこれと同じ考えを、
今も持ち続けているのである。


今の時代、
比較的やりたいことができる世の中になっている。

 

選択肢は確実に広がっている中、
私たちはできる限りの自由を求めている。

 


だから、いかに自由度ある働き方が、
私たちがモチベーションを保ち、
長く働くことができるかということにつながる。

 


それが今の時代における、
『組織としてのあり方』だと思う。


強制すること、束縛することはむしろ
人のモチベーションを下げる要因となるのだ。

 

体質の古い会社へ就職を控えている方へ

私の軍隊じみた研修の経験から、
会社という組織に属すること自体に疑問を持つようになった。


「なんでスマホを取り上げるのだろう」

「なんで全力でラジオ体操を踊らなければならないのだろう」

「なんで着替えに5分しか与えられないのだろう」

と思うし、これらの規制から得たものは
何一つなかった。

 

義務教育時代から私たちは
個性をつぶす教育を受けてきた。

 

就職してからはさらに個性を潰される。


昔の人は、組織を機能させるために
効率化を図るよりも、まるで奴隷のように、
従順に動く人を作り出すべきだという考えが根強い。

だからなんの生産性のない無駄なことで
苦労を強いられる。


体質の古い会社や、
体育会系の会社に入る方は、
このような研修がある可能性があるため、
覚悟しておくと良い。


理不尽さと根性論で固められた、
地獄のような宿泊研修が待っているかもしれない。