金融マンが解説!銀行と信用金庫の違い、信用金庫の特徴について(基本編)

こんにちは。

 

いねだ(@antisalary)です。

 

今まで銀行の話題を
取り上げることが多かったが、
今回は信用金庫に着目してみたい。

 

銀行と信用金庫の違いから、
信用金庫の特徴について書いていきたいと思う。

 

この記事が、就活生や、
これから就活を控える学生の方の参考になればと思う。

 

信用金庫の業務は銀行と同じ

昔から続く銀行の3大業務、
『預金、融資、為替』という業務は、
信用金庫でも同じである。

 

投資信託や保険も扱うため、
支店で働く上では、銀行と業務内容はほとんど違いはないかと思う。

 

では、銀行と信用金庫の違いはどこにあるのだろうか。

 

銀行と信用金庫は存在意義が異なる

そもそも、銀行と信用金庫は、存在意義が異なる。

 

銀行は、『銀行法』という
法律の元で成り立っているのに対し、
信用金庫は、『信用金庫法』という、
別の法律で成り立っている。

 

では、具体的に何が違うのだろうか。

 

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信用金庫は株式会社ではない

すべての銀行は株式会社であり、多くは東証一部に上場している。

 

銀行以外の株式会社と同様、
株式を発行し、投資家から資金を募るし、
何よりも大事なのは会社、株主の利益である。

 

対して、信用金庫は株式会社ではない。

 

協同組織金融機関として存在しており、
株式を発行していない。

 

その代わり、『出資』という方法で、
証券を買ってもらい、出資をした人は
『会員』、株式会社でいう、『株主』のような扱いを受ける。

 

名目上は、利益のみを追求することよりも、
地域の繁栄を支えることを目的とする非営利組織なのである。
(名目上です。これ大事です。)

 

地域金融機関として、営業エリアを限定している

信用金庫は先ほど挙げた『信用金庫法』により
営業地域が限られている。

 

そして、
決められたエリアに居住地、勤務地、事業所のうちどれかがないと、融資の条件でもある、信用金庫の会員になることができない。

 

つまり、
信用金庫の営業エリアに住んでいるか、
働いているかしていないと、
信用金庫とは取引ができないのだ。

 

反対に、銀行は営業エリアが限定されていない。

 

都市銀行であれば、全国、そして海外にまで
支店を構えている。

 

地銀も営業エリアが限定されているわけではなく、ビジネスチャンスがあれば、
他県、そして海外にも進出する銀行もある。

 

全国に様々な信用金庫が存在するが、
規模によって営業エリアは様々である。

 

上位信金は県全域、
そしてその付近の県にまで営業エリアを持ち、
地銀と同等の規模を持つ信金も存在する。

 

しかし多くの信用金庫は、県内の中でも限られた
地域に営業エリアを持ち、地域密着度が非常に高いのが特徴だ。

 

法人取引は、中小企業に限定

銀行は、株式会社であり、
優先されるのは会社、株主の利益である。

 

利益を上げるためには大企業と取引をして
大きな金額を融資したいのだ。

 

そのため、大企業との取引に力を入れている。

 

しかし信用金庫は、『信用金庫法』により、
融資対象が、資本金9億円以下または従業員300人以下の中小企業に限定されている。

 

仮に、取引先が成長し、
資本金9億円、従業員数300人を上回ると、
『卒業』という形で信用金庫とは取引ができなくなる。

 

小口取引が中心

主な取引先が中小企業や個人事業主なので、
1つ1つの取引の額が銀行と比べて小さいのが特徴である。

 

銀行であれば、数千万の融資なんて大したことではないかもしれないが、信用金庫では数百万〜数千万の融資が中心であり、その一つ一つが貴重な取引である。

 

そのため、自ずと頭より足を使う、
泥臭い営業スタイルとなる。

 

1000万以上の預金を持つ客にはVIP待遇

都市銀行であれば、1000万どころか、
数億の預金を持つ人がざらにいると思う。

 

そして、そこまで力を入れなくとも、
自然と預金が集まるだろう。

 

しかし、信用金庫において、
たくさんの預金を持つ客は非常にレアである。

 

貴重なお金持ちの客を、
信用金庫側としてはどうしても手放したくないのだ。

 

だから1000万以上持つ客に対しては、
これでもかというくらい、面倒を見る。

 

客からしてみると、望まない投資商品を勧められたり、少し厄介かもしれない。

 

まとめ

  • 信用金庫の業務は銀行と同じ
  • 銀行と信用金庫は、存在意義が異なる
  • 地域金融機関として、営業エリアを限定している
  • 法人取引は、中小企業に限定
  • 小口取引が中心
  • 1000万以上の預金を持つ客にはVIP待遇

 

いかがだろうか。

 

銀行と信用金庫の違い、信用金庫の特徴について
基本的なことをまとめた。

 


就活生や、これから就活を控える学生で、
金融業界を志望する方は知っておくと良い。

 

さらに踏み込んだ話については、
別の記事で書いていきたいと思う。

 

最後までお読みいただき、ありがとうございました。