【さいしんはブラック!?】埼玉縣信用金庫に1年半勤めてわかったこと。

こんにちは。

 

就活生の皆さんは連日の説明会やESの作成、webテストや面接に忙しくしているかと思います。

 

ところで就活生のみなさんは、業界選び、会社選びに悩んでいませんか?

 

今回は私が勤務していた、金融業界について参考になる記事を書いていきたいです。

 

近年、金融業界の人気は下がりつつも、志望する学生はまだまだいるかと思います。

 

銀行や信用金庫などの雰囲気を知る方法として支店訪問はできますが、金融機関って実際の内部の雰囲気はわかりにくいですよね。

 

しかし推測ではありますが、全国の金融機関、多くは似たような空気感があるかと思います。

 

私は埼玉縣信用金庫という会社で働いておりました。

 


今回は、銀行、信用金庫を志望する就活生により具体的な情報を提供すべく、私が勤めていた『埼玉縣信用金庫』がどんな会社なのか、どんな雰囲気なのかを書いていきたいと思います。

 


・埼玉縣信用金庫を志望する就活生
・信用金庫を志望する就活生
・銀行を志望する就活生

に当てはまる方には是非お読みいただきたいです。

 

埼玉縣信用金庫はどんな会社?

名前の通り、埼玉県全域に営業エリアを持つ信用金庫です。

 

埼玉県は比較的大きなマーケットではありますが、地銀の数が少ないというのがあり、信用金庫としてはかなり大規模な金融機関です。

 

預金・積金残高は2兆7000億円ほどで、信用金庫の中では全国6位に位置しているようです。(私が就活していた頃は全国4位でした。)

 

まあ、就活生のみなさんが気になるのは「実際のところどうなの?」というところのはずなので、さっそくweb上でわかる内容に沿って、実態について書いていきます。

 

まずは就活サイトに掲載されている情報について確認しましょう。

 

【採用サイトの情報】


・初任給:205,000円(大学(院)卒)
     185,600円(短大卒)
・昇給 年1回(4月)
 賞与 年3回(6・12・3月) ※2017年度実績
・平均残業時間:14.5時間
・職員の平均年齢:42歳
・各種休暇制度:年次有給休暇、連続休暇、エンジョイ休暇、慶弔休暇、積立休暇、
出産休暇、介護休暇 など
・制度/厚生年金基金、住宅資金融資、福利厚生融資、財形貯蓄
 保険/社会保険(健康保険、厚生年金、雇用保険、労災保険)
 施設/独身寮・家族寮(さいたま市)、契約保養施設

 

就活サイトの情報を見る限り、さすがは金融業界、非常に恵まれた待遇や福利厚生においては非常に整っております。

 

1年半勤めてわかった、埼玉縣信用金庫の労働環境の実態は?

まず、この記事の中で私が伝えたいことは、『就活サイトに記載されている情報を鵜呑みにしてはならないよ』ということです。

 

埼玉縣信用金庫は就活サイトの情報を見る限り、給与、福利厚生面で比較的恵まれていた待遇で、選考時の人の印象も良く、さすが金融機関だなという印象を持っておりました。

 

しかし、実際に入ってみると、就活サイトの通りではないことや、入ってみないとわからない社風や体質などが露わになり、私は入社3ヶ月で嫌気がさしてしまったのです。

 

私が埼玉縣信用金庫で働いてわかった、就活サイトからは見えない労働環境についてお話ししたいと思います。

 

給与・ボーナス

初任給、基本給

就活サイトに掲載されている情報は大卒で¥205,000です。

 

基本給は多くの会社とほぼ変わらず、平均的な水準だと思います。

 

税金など諸々引かれ、手取りは16万ほど。

 

ですが、1年目は強制的に受ける試験があり、受験料は給与天引き。

 

毎月のように試験を受けさせられ、手取りは15万円台だったような気がします。

 

最短で4年目から主任に昇格し、年収500万は超えてくると思います。

 

賞与(ボーナス)


ボーナスに関しては、私がいた頃は6ヶ月分出ておりました。

 

6月、12月、3月の年3回。

 

ここはさすが金融業界だと感じました。

 

ボーナスの日が近づくにつれ、少なからずワクワクするものです。

 

しかし逆に言うと、ボーナス時期が小分けにされているため、辞めるタイミングに悩んだりします。

 

残業時間について

時間外はほぼサービス残業

残業時間については、厳しめに管理されており、遅くとも8時頃には全員退社していました。

 

基本的には支店の施錠時間を管理しているため、一人で残って作業をするというのはできません。

 

埼玉縣信用金庫の勤務時間の管理はPC端末の最終ログイン時間によって管理されております。

 

みなさん驚くかもしれませんが、勤怠表は紙に手書きで申請するというものでした。

 

時間は各自記入するのですが、毎日役席、次長、支店長が確認するため、あまり残業時間を多くすると、上から訂正するように言われます。

 

私の場合、毎日最後までいたはずなのに、勤怠表にはほぼ定時で申告させられるという実態でした。

 

加えて私がいた支店では、定時より20分早く出社し、開店の準備。

 

後述しますが、私が所属していた支店は休憩時間がなく、1時間のサービス労働が毎日発生していました。

 

これ、1ヶ月分計算すると、約30時間くらいは無給のサービス労働になっておりますね。

 

・残業しているのに定時での打刻
・休憩していないのに1時間休憩を取ったことになっている

 

このような有様でした。

 

休暇制度について

有給休暇は制度が存在するのみで、実質取得不可能

最近こそ有給を取っている支店に評価ポイントを与えるなどして、徐々に有給取得を推進しているようですが、相変わらず昔ながらの「休むことは悪」みたいな考えを持ったおっさん上司たちがわんさかいます。

 

なので有給を取ることが全く不可能ではないとはいえ、非常に取りづらいです。

 

若手社員の場合、休んだ翌日には何かしらの書類の不備やら粗探しされ、休んだことに対して怒られるのではないでしょうか。

 

今時有給取って怒られる会社、そうそう無いと思います。

 

私がよく覚えているのは、

・風邪をひいたことに対して上司に怒られる先輩
・出産立会いで休んだ先輩が上司に怒られる

 

「上司は人を何だと思っているのだろう…」と感じました。

 

奥さん(妻)の出産立会いで、夫(旦那)が会社を休んだら上司に怒られた先輩の話。

 

長期休暇は年1回、取得することが義務付けられている

金融機関にお盆休みはなく、通常営業しております。

 

その代わり、好きなタイミングで5日間(土日含め9日間ほど)の連続休暇を取ることが義務付けられておりました。

 

各々海外旅行に出かけるなどしており、ここに関しては特別不満はありませんでした。

 

会社の雰囲気、風通し

こちらに関しては、支店によるところが大きいため一概に言えませんので、実体験ベースで書いていきます。

 

私がいた支店は以下のような感じでした。

 

常態化するパワハラ

社内では当たり前のようになっておりましたが、転職した今、明らかにパワハラが常態化していたと感じます。

 

恐ろしいことに、1つの会社に居続けると、パワハラがパワハラだと気づくこともできなくなるんですね。

 


・出社して10分くらいすると支店長が誰かしら横に立たせて説教をしている
・支店長が役席を応接室に連れて行き、3時間くらい詰めている
・朝から怒号が飛んでおり、空気が最悪
・上司から「お前」や「てめえ」と呼ばれる

 

このような日常でした。

 

私自身、かなりきつい罵声を浴びせられていましたし、うつ寸前の精神状態になっておりました。

 

信用金庫に1年勤めた私が上司から受けたノルマの詰め・罵倒・暴言フレーズ集。

 

昼飯が食べられない!?

これは支店によりけりだと思いますが、私がいた支店の融資、外回りの方々は昼休憩を取ることも、昼飯を食べることもできませんでした。

 

私は以前、15分くらい休憩をとったら上司に怒られたことがあります。

 

休憩なしどころか、昼食も取れない会社で仕事を続けた末路。

 

このように、本来当たり前に取るはずの1時間休憩がなく、サービス労働をすることで昼飯も食べられず、体力的にも精神的にも蝕まれていく日々でした。

 

パートさんの方と1年目の人は基本的には休憩を取っていましたが、休憩を取ると、上席から順番に「休憩いただきすみませんでした」という謝罪をしなくてはならないのです。

 

もはや休憩が休憩ではないような、そんな気がしていました。

 

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埼玉縣信用金庫の社風

就活をしていると、「御社はどんな社風なのでしょうか?」と社員に対して質問する方は一定数います。

 

この質問自体はその会社を知る上で重要なことだとは思いますが、その会社で働く社員に聞いてもあまり良い解答は得られないと思います。

 

というのも、彼らのほとんどは、その会社でしか働いたことがなく、他の会社のことを知らないからです。

 

社風に関しては、会う・合わないがあるかとお思いますが、こればかりは入ってみないとわからない部分もあります。

 

私は一度転職を経験しており、現在の常駐先を含め、2、3社ほど見た上で、埼玉縣信用金庫がどんな社風の会社か、を伝えたいと思います。

 

究極的な昭和体質

埼玉縣信用金庫という会社を一言で言い表すなら、『昭和』とか『戦前』が適切なのではないかと考えています。

 

体育会系

昔ながらの体育会系な社風です。

 

基本的に声が大きい人が強いんです。

 

これは新人研修の時点でわかります。

 

宿泊研修で毎朝6時半に朝礼をやるのですが、挨拶の声、体操時の掛け声など、声が小さければ人事から「声が小せえよ!」と怒られ、OKが出るまでエンドレスでやり直しです。
 

(スマホ没収、全力ラジオ体操)〜会社の宿泊研修体験談〜

 

支店に入ってからも、上司から「声が小せえ」と何度も言われていました。

 

厳しい上下関係

転職して気がついたのですが、上司のことを「○○さん」と呼ぶことは割と良くあることだと思います。

 

しかし、銀行や信用金庫など、金融機関では基本的に上司に対して○○さんと呼ぶことはありません。必ず役職名をつけて呼びます。埼玉縣信用金庫も同様です。

 

お土産は上席から順番に手渡ししなければならないという謎ルール


お土産など、全員に物を渡す場合は上席から、つまり支店長から副支店長、次長と順番に手渡ししなければ怒られることがあります。

 

私がいた支店は預金、融資、得意先と島が分かれていたので、手渡しするのであれば預金の島全員→融資の島全員…という風に配っていくのが早いかと思います。

 

しかしここは埼玉縣信用金庫の非効率を重視するスタンスが立ちはだかります。

 

各係に役席がいるのですが、まず、すべての係の役席に渡すことが先のようです。

 

そのあとも係でまとめて渡しに行くことはなく、主任→パート→年次順みたいな順番遵守で探し回りながら配っていました。どう考えても非効率で時間がかかってるんです。

 

このことで2年目の先輩に注意された時は「こいつ馬鹿か」と思ってしまいました。

 

私の感覚、おかしくないと思うのですがどうでしょう?

 

強制参加のゴルフコンペ

年に数回、支店単位やエリア単位でゴルフコンペがあります。

 

支店によっては毎週のように連れ回されるところもあるようです。

 

基本的に若手社員に拒否権はありません。強制参加です。

 

約2万円する参加費に加え、やたら高いゴルフ用具一式を揃えなければなりません。

 

若手にとっては痛すぎる出費。

 

宴会、カラオケは支店長を楽しませるためのもの

体質が完全に昭和なので、やることも昭和からほとんど変わっていなかったりします。

 

毎年恒例の職員旅行に行けば宴会があり、若手は芸を強要されます。

 

そのためにプライベートを犠牲にして練習することもあります。

 

カラオケに行けば場を盛り上げることに徹します。

 

全て仕事の一環であり、常に全力で取り組まないと上司から怒られます。

 

「会社に全てを捧げる」とはこのことなんだろうと思います。

 

銀行の社員旅行で行われる余興(宴会芸)の実態。余興の強要はパワハラに当たらないのか。

 

最後に:表面上の情報に騙されないように!

いかがでしょうか。

 

私が1年半勤めて感じた、埼玉縣信用金庫の実態でした。

 

給与や労働時間に関してはそれほど悪くはないのですが、限られた時間の中でのストレスはかなり大きく、毎日が非常に息苦しかったのを覚えています。

 

上下関係の厳しさや「休むことは悪」と言わんばかりの体質の中で、徐々に私は仕事の目的が「お客様の役に立つこと」よりも、「上司に怒られないため」という気持ちが強くなってきて、仕事を頑張る意味が見出せなくなったこともあり、早期での退職を決意しました。

 

かなり生々しく、主観も含めて書いていきましたが、「会社なんてそんなもんでしょ」と思うか、「パワハラはうけたくない」とか「昼飯くらい食べたい」、「サビ残はしたくない」など、感じることは人それぞれだと思います。

 

会社の表面上の良い部分だけを見て判断するのはリスクもあるということを知っておくと良いでしょう。

 

金融業界に興味のある学生に取って、役に立つ情報が含まれていれば幸いです。

 

ぜひ業界選び、企業選びの参考にしてみてください。

 

最後までお読みいただき、ありがとうございました。