金融業界の現状

私は金融業界に勤めている。

 

就活生からみた金融業界というのは

比較的エリートで大きな資金を動かしている、

そして高給取りだというイメージがあるのではないだろうか。

 

そして採用面接では

面接官の人あたりの良さを感じ、

ますます魅力を感じることもあると思う。

 

私自身、入る前まではそう思っていた。

 

そこで、私が実際に中で働き、

感じた空気感や、仕事、業界の現状について

赤裸々に伝えられればと思う。

 

 

そもそも、銀行がどのようなビジネスで成り立っているのかというと、

一言で説明できるものではないが、大雑把に言うと、

お客様からお金を預かり、そのお金を

他のお客様へ貸し出し、そこに利子をつけて

回収することで利益を得る、というのが主である。

 

しかし、現在の金利はとてつもなく低く、

多くの銀行の収益が悪化している。

単独での経営が厳しい銀行は合併したりと、

業界の再編も進んでいる。

 

そして大きな外的要因としては

フィンテック、仮想通貨の台頭がある。

 

現金を介さず手数料などのコストを

大幅に軽減できるため、

銀行は至急の対応策を迫られている状態である。

 

こういった変化に対して鈍感というか、

変化を嫌うのも特徴であろう。

 

世界的には電子マネーなどの決済が進んでいる中、

まだまだ現金至上主義である日本でも、

現金を扱う機会はいずれなくなっていくだろうし、

AIがさらに発達すれば、さらに正確な事務作業ができるようになる。

そうすれば銀行員自体の存在価値が問われるようになり、

銀行の数は減るだろうし、支店の数も減っていくであろう。

 

将来的にはメガバンクとそのグループのネット銀行があれば

世の中が成り立つ時代が来るのではないかと予想している。

以前は銀行は潰れない安定企業と言われていたが、

低金利、フィンテックが台頭する現代において、

全くそんなことはないし、

むしろ収益が低迷し、業界全体に逆風が吹いているのである。

するとやはり、職場の空気も悪くなっていく。

もともと風通しは悪いと思うが。
 

 
また、若い人からしてみると
受け入れがたい現実が結構ある業界である。

 
このご時世であるにもかかわらず、

中ではスマホを扱うことは禁止されていたり、

上下関係も非常に厳しい。

上の言うことは絶対的であり、若手に発言権などない。

はい。と、すみません。

しか言わなくても1日過ごせるのではないだろうか。

そして休憩や休みを取った後には

上席から順に全員にすみませんでした。

と言わなくてはならない謎ルールがある。

こんなことをわざわざしなくてはならないのが嫌で、

休憩も休みもなんだか取りにくい。

上席の人は昼食もまともにとれなかったりするので

なおさらだ。

 

ミスに関しては特に厳しく、数字のミスはご法度。

 

また、複雑かつ大量の書類があり、

時間に追われ、ミスが許されない状況の中で、

基本的に職場全体がピリピリしており、

ほとんどの人がイライラしている。

とにかく必要以上に話しかけにくい。
 

 

また、ノルマが厳しいのも特徴であろう。

 

ほとんど金利のつかない定期預金であったり、

入る必要性のない保険のノルマがそれぞれ課され、

未達の者は詰められる。

 

非常にシビアな業界である。

 

私はここまで切羽詰まって働いても

大した給料はもらえないし、

昇進したとしても

しょうもないノルマに対して

人を詰める上司の姿を見て呆れるばかりであった。

 

こうはなりたくないと思ったし、

自分の裁量をもっと生かして生きていくのが

有意義なのではないだろうか。

 

もちろん、金融業界で身につく知識は

たくさんあると思うので、

お勧めしないとは言わない。

 

しかし、あまり過大な希望を持って入ることは

かえって現実とのギャップに苦しむことになると思うので、

そこは肝に銘じておくべきだと思う。