銀行の社員旅行で行われる余興(宴会芸)の実態。余興の強要はパワハラに当たらないのか。

こんにちは。

 

いねだ(@antisalary)です。

 

私は銀行に勤めている。

 

銀行の企業体質はどこも似通っているかと思う。

 


昭和の香りが強く残る、
体育会系な企業風土だ。

 

会社の古さを感じる時の一例として、
『社員旅行』がある。

 


銀行の社員旅行で行われるのが、
宴会芸、つまり余興だ。

 

今回は、銀行の社員旅行について、
そして恒例の宴会、余興について
書いていきたいと思う。

 

強制参加の社員旅行

私の会社では
昔から続く社員旅行が毎年行われる。

 

昔と比べると拘束時間は
短くなっているようだが、
そもそもほとんどの人が行きたいと思っていない。

 


にもかかわらず、未だに社員旅行という
イベントが残り続けている不思議がある。

 

銀行の上下関係は厳しく、
『上のいうことは絶対』という文化がある。

 

これは仕事に限ったことではない。

 


社員旅行に関しても、
支店長が「行く」と言えば、
他の全員が行きたくなくとも
行かなければならないのだ。

 

宴会、恒例の余興

社員旅行に行くと、
夜には宴会場で宴会が行われる。

 

ここで必ず行われることがある。

 


宴会芸、つまり余興である。

 


若手は強制で何かしらの余興をやらなくてはならない。

 

私の会社では、

・男性は一発芸(体を張る系)
・女性はカラオケやダンス

をやることが多い。

 

出し物(ネタ)の内容は、基本的にはその年のトレンドネタ。

 

一発屋の芸人のネタをやることが多いかと思う。

 

女性であれば、星野源の恋ダンスとか。

 

この時点で「古い」と感じる方も多いだろう。

 


私は両親にさえ、「古い」と言われた。

 

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全力でやらないと怒られる


社員旅行は、『旅行』ではなく、『仕事』である。

 


やりたくもない余興を、全力でやらなくてはならない。

 

「恥ずかしい」とか、
「何のためにやるのかわからない」
というのは通用しない。

 


本気でやらなければ、支店長や上司に怒られるのだ。

 

旅行前に行われる練習

本気でやることかつ、
支店長に質の低いものを
見せてはならないというのがあるのか、
旅行の前に、余興の練習を行う。

 

仕事後に、カラオケなどへ行き、
若手が考えたネタを上司に見せるのだ。

 

そこでも本気でやらないと、
上司から怒られる。

 

最終的には、支店長が満足するかどうか

予行練習を終えて、グッズも一式揃え、
いざ社員旅行の宴会。

 

余興に時間になると、
全員の前で余興をやることになる。

 


準備したネタを、
どんなに全力でやっても、
どんなにうまくいったとしても、
どんなにみんなからは「よかった」
と思われても、それは関係ない。

 

支店長が良いと思うかどうかが全てなのだ。

 


支店長が満足しなければ、
余興は失敗ということになる。

 

向いてないことをやらせて失敗して誰が得するのか

別の支店の同期も、
やはり社員旅行で余興をやらされている。

 

「まずい空気になった」という話はよく聞くし、
実際、私の支店も支店長から「ダメ」という評価をされた。

 


・これまでやったこともないし、
そもそもやりたくもない本気での一発芸をやり、
『自分』を殺されること。

・そして世代の全く異なる
支店長に見せて、がっかりさせること。

 

どちらに対してもメリットがないと思う。

 

世代が違えば考え方も違い、
笑いのツボや趣味も全く別である。

 


分かり合えるはずがないのだ。

 

「若いから」という理由だけで
向いてない余興をやらせれば、
ベクトルがおかしな方へ行くことも
十分あり得るだろう。

 


このような余興が
銀行のほとんどでは行われており、
誰も根本的に破綻していることに
気づいていないようだ。

 

余興で若手は辞めたい欲が加速する

今の時代、終身雇用の意識はどんどん低くなってきている。

 


会社の体質や文化に馴染めなければ、
『退職』という選択をする人は多い。

 

昔と比べ、選択肢が増えたからだ。

 

無理して今の会社にいる必要性はないと
考えるのが私たちの世代だ。

 

余興をやりたくない人にも
強制的にやらせるという、
何も生み出さない、ただメンタルを
削られる行為をさせられれば、
他の居場所を探す時代に私たちはいる。

 


やりたくもない余興をやらされ、
若手のモチベーションは下がる。

会社がより一層嫌いになる。

いつでも『辞めること』を視野に入れるようになる。

 

このような悪循環を
会社が作り出しているのだ。

 

しかし銀行の古体質は根強い。

 

業界として経営も苦しくなっているが、
こういったところを変えていかないと、
人材はどんどんいなくなっていくのではないだろうか。

 

最後に:余興の強要はパワハラだと思う


・強制的に余興をやらされ、
 苦手なことをやらされ、
 メンタルをえぐられる公開処刑。

・トレンドネタをコピーして
 練習したところで何も生まないことに
 時間が奪われるムダ作業。

・本気でやらないと怒られるため、
 機械的に取り組み、
『自分』という人間を破壊されること。

 


ムダな時間を消費し、
それぞれの個性が破壊され、
メンタルに傷をつけるような
余興を強要することは
パワハラなのではないか
と私は思う。

 

銀行の社員旅行ではこのように、
今の時代からは考え難い風習が、
いつまでも残り続けていることが多い。

 

銀行や金業界に限らず、
体質の古い会社、
体育会系の風土がある会社の内定者、
また、これらの会社を志望する学生は
知っておくと良い。

 

↓↓銀行の実態、企業風土について興味を持った方はこちらの記事へ↓↓

 

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