銀行員の視点で考える、就活の企業選びのコツ。

こんにちは。

 
今回の記事は

多くの大学生が通る道である
『就活』について。

 

私自身、実際に就活を経験し、
内定をもらい、就職するに至る。

 

しかし私は会社選びに失敗し、
現在、脱サラに向けた努力をしている。

 

今回は自身の失敗から学ぶ、
就活生が後悔しないための
企業選びのコツ
について書きたいと思う。

 

あわせて読みたい▷『銀行へ就職する人、したい人はこれを知らないと後悔する。』

 

もっとも重要な会社選びのポイント

 

一番の見極めのポイントは1つ。

 

それは『社風』である。

 

企業の歴史が長いほど、
古くから続く根強い風習が残っている。

 

古い価値観はたいてい我々の世代に合わない。

 

厳しい上下関係のある企業、
髪型や服装、マナーに厳しい企業
というのはたいてい歴史が古く、
体育会系な部分が垣間見えて仕事内容以前に
我々の世代には「合わない」と感じることが多い。

 

社風が合わなければ、仕事内容や人間関係以前に、
会社にいるだけで大きなストレス要因になるため、
社風を見極められずに会社に入ってしまうと
ミスマッチが生じる。

 

どんなにやりたい仕事だったとしても
続けていくことが困難になるため
じっくり検討する必要がある。

 

この『社風』を見極めるために
銀行員の私が考える、就活の時点で判断可能な
材料を今回は提供したい。

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私は金融業界で勤務中であるため、
就活生に人気である金融業界の内側を体験した上で、
金融業界に関しては少し入り込んだことも書きたい。

 

就活における企業選びの判断材料

①建物、設備が綺麗か古いか。

 

自身の経験を踏まえて、
建物や設備が古い会社に
入らない方が良い。

 

私がそう思う理由は、

 

『建物の佇まいが、
企業のステータスの一つである』

と考えているからである。

 

建物や設備に金をかけられる企業は
比較的資金力のある企業だ。

 

やはり建物が綺麗だと
お客さんの立場からしても
入ってみたくなる。

 

そして従業員の視点からも
快適さを感じられる。

 

そしてそれだけではない。

 

建物や設備が新しいほど、
あらゆる場面で機械化がなされており、
面倒な雑用が減ることが大きなメリットである。

 

私の会社は残念ながら
建物の内外がボロボロである。

 

すると何が起きるのか。

 


・雨漏りが起き、点検を若手がやらされる
・トイレが異常に臭い
・鍵、ドアが全て手動
・重い荷物を階段で何往復も運ばされる

 

このような環境だと、若手は
仕事とは関係ない雑用をやらされるのである。

 

これらの雑用のために
本来覚えるべき仕事が覚えられないまま
1年が終わってしまうこともありうる。

 

就活時には、
「こんなことがやりたい」という理想を持って
採用試験を受けると思うが、
設備に金をかけていない会社に入ってしまうと
理想との大きなギャップに悩むことになる。

 

どうしようもなくアナログな作業に
多くの時間を費やされ、
それが残業の元にもなり、
生産的な仕事がほとんどできないのだ。

 

だから設備にしっかり金をかけている企業、
デジタル化が進んでいる企業を
選んでいくべきだ。

 

ボロボロのオフィスでは
モチベーションも高まらないし、
数々の原始的な雑用に
悩まされる日々が待っている。

 

②風通しは良いか。

 

正直、会社を見ただけでは
風通しを見極めるのは難しいと思う。

 

説明会や面接を通じて
判断するのが大半だろう。

 

しかし、そこだけで判断するのは良くない。

 

大企業ほど何千、何万と従業員がいて、
就活で関わるのはその中のほんの数人である。

 

就活の中で、人や風通しの
判断をするのは無理がある。

 

私が経験している
銀行を例に出して見よう。

 

銀行に関して言えば、
接客業であるし、就活生に対して
いい人を演じることは慣れたものだ。

 

だから面接なんかをすると、
銀行の人はいい人なのではないか
という錯覚に陥って、入行する人は多い。

 

しかし、


・あなたは開店前のミーティングでの
 ノルマに対する詰めを見たことがあるか。

・あなたは閉店後の空気を感じたことはあるか。

 

この場を借りていうと、

銀行の風通しは非常に悪い。

 

客商売であり、支店内には常に客がいるので、
姿勢、態度に常に気をつかわなければならないし、
銀行の社会的認識からルールには非常に厳しい。

 

だから気の休まる時間があまりない。

 

そして事務処理には機械的正確さが求められており、
常にストレスを感じる環境である。

 

風通しの良さを判断するためには
実際に会社の中を見て、
社員の様子、環境、身動きが取りやすそうかを見極め、
面接で少し冗談を言っても受かるくらいの会社とか、
ありのままをさらけ出して受け入れてくれた会社が
働きやすいのではないだろうか。

 

③有給が消化しやすい環境か。

 

有給の制度が存在しながらも、
ほとんど有給を取ることができない会社は
多く存在する。

 

私の会社がまさにそうだ。

 

まず慢性的な人手不足であること。

 

そして休むことが悪だと考える時代遅れな
上司がいる会社に入ってしまうと、
まず上司が有給を取ろうとしないし、
有給という言葉が禁句であるかのような
雰囲気ができている。

 

また、休む時には理由を求められ、
紙を印刷しなければならないような
昔ながらの会社が多くあることも事実である。

 

体質の古い会社に入ってしまうと
休みを取りにくい風潮がある。

 

OB訪問等の機会があれば
思い切って聞くと良い。

 

体質の古い企業は
自由度がとても低いので、
他にやりたいことがある人にとっては
向いていないと私は考える。

 

④副業が許されるか。

 

我々の世代は『会社に尽くすこと』という
昭和的価値観は薄れ、
それよりも『興味のあることに打ち込みたい』とか
『自分の時間を生きたい』という気持ちを持つ人が
多くなってきている。

 

体質の古い会社は
いわゆる『社畜』を求め、
『本業に支障をきたす』といった理由で
副業を禁止する企業が未だ多い。

 

副業を禁止することは
デメリットが大きいように思う。

 

1つの会社にこもると
どうしても社員の視野が狭まり、
価値を測る基準が会社の中でという
非常に狭い中での評価になってしまう。

 

会社の中ではできる上司かもしれないが
一歩外に出たら全然たいしたことない人間かもしれないのに、
1つの会社しか見えていない視野のままだと
そのことに気づくことができない。

 

1つの会社の基準で『自分はダメな人間だ』
と追い詰められることも考えられる。

 

副業ができる会社で働き、
自分の視野を広めることで、
自分がいるべき場所が見つかるかもしれないし、
本業から派生させた新しいものが見えてくる
可能性があるため、仕事面でも、
精神面でもメリットがあるのである。

 

近年、新しい会社やIT企業などでは
副業が許可される会社が増えてきているため、
こういったことも判断基準にしてほしい。

 

⑤作業は紙中心か、PC中心か。

 

これは業界によって大きく変わるし、
企業の規模によっても大きく異なる。

 

私が身を置く金融業界は近年、
メガバンクなど起きな大手行から
ペーパーレス化や印鑑レスでの手続きが
できるようにする流れができつつある。

 

それでも、作業工程はとてつもなくアナログで、
最終的には役席や支店長の印鑑が必要になるため、
銀行に入ったらしばらく
自分の決定権はなし、1つの意思決定の
手順が非常に面倒である。

 

そして融資案件に関しては
1つの案件で膨大な紙書類を用いたり、
伝票は何年も保存していたりして、
紙の量はとてつもない。

 

毎日大量の紙を綴る作業も
若手の仕事の一つであり、
非効率な労働を強いられる。

 

1枚でも書類が見つからなければ
支店で総動員になって
膨大な量が溜まった書類をあさる光景は
非常にアホらしい。

 

紙媒体中心の会社に入ると
会社は散らかるし、
管理や片付けに無駄な時間取られるため、
アナログな作業を好まない人は
金融業界は向かないと思う。

 

一方、ITやメーカーなどは
先端の技術をいち早く取り入れ、
業務の効率化が図られていると思う。

 

「ここをこうすればいいのに」という自分の考えを
反映させやすかったり、会社としても
効率化を進める風土があると思う。

 

そういった改革が進むのはやはり大手企業からであり、
業界下位の企業や中小企業は
そこまで資金を回す余裕がないため、
いつまでも前時代的なアナログ作業が行われ、
労働環境は悪い。

 

まとめ

やりたいことを実現していくために
もっとも大事である判断基準は
『社風』である。

 

その中で、

・建物、設備は綺麗か。
・風通しは良いか。
・有給が消化しやすい環境か。
・副業は許されるか。
・紙中心か、PC中心か。

 

今回は就活生向けに
この5つの判断材料を
提供した。

 

ぜひ参考にしていただきたい。

 

私が伝えたいこと。

 
就活をする上でよく言われることかもしれないが、

「綺麗で快適なオフィスで働きたい」とか、
「無駄な作業、雑用はしたくない」とか、
「副業もできて時には有給を使って、
イベントに参加できる社会人生活を送りたい」とか、
なんでもよい。

 

自分の中で働く基準を決めること
やはり最も大切なことである。

 

企業選びに失敗したくなければ
必ず基準を決めてほしい。

 

勘違いして欲しくないのが、

『友人や両親にすごいと思われたい』

という基準で会社を選んで欲しくないこと。

 

周囲の評価を気にしてしまうと、
知名度のある歴史の長い大企業を志望してしまいがちだ。

 

歴史が長い企業ほど
古い風習が残っていることが多いため、
仕事内容や待遇以前に、風土が自分に合わず、
精神的に追い詰められることも考えられる。

 

周囲の評価のために
自分の意思を殺して
苦しい方を選択すると、
自分が後悔する羽目になる。

 

周囲の評価を抜きにして、
『自分がどう働きたいか』
をよく考えて、それを実現できる会社を
見極めていくべきである。

 

最後に

 

サラリーマンとして生きること、
大企業で働くことが
良いことだと言えなくなってきている時代。

 

『自分がどう生きていきたいか』
世間の常識を抜きにして考えて欲しい。

 

サラリーマンとして生きることが嫌なら
就職しなくてもいくらでも選択肢はある。

 

採用面接で時々聞かれる
「あなたはなぜ就職するのか」について
正直な気持ちで考えてみてほしい。